運命のふぁて

XY平面に生きてます

恐怖爺が優しくなった

おじいちゃんが優しくなった

僕のおじいちゃんは兎に角怖い、これは我が西園寺家の共通認識である。

 

恐怖体験エピソードを挙げればキリがない、それほどに怖い。

 

だが、勘違いはしないで欲しい。彼は決して気性が荒いわけではないのだ。

 

どういう事かと言うと、彼、西園寺 臣吾は幼いころから酒、タバコ、etcとやりたい放題ではあった。

 

しかし性質が悪いことに、文学にも勤しんでいた。

 

つまり、教養の深い不良だったのだ!。

 

 

劣化版ダンブルドアのような彼に、幼い僕は「怖い」よりも「生命の危機」を感じていた。

 

 

 

そんな彼であったが、

 

ある日(と言っても昨日だが)そんな恐怖爺について、ある噂を耳にした。

 

 

 

甘党になって、性格も甘くなったらしいよw

 

 

 

いや、「マスクが無くなるからティッシュも無くなるらしいよw」レベルの暴論じゃねえか。wつけてもしょうがないだろ。

 

今まで、「砂糖は女が食うもん」とフェミさんがぶち切れそうな事案を声高らかに言っていた恐怖爺が急に甘党になったことには驚きだが、

 

それ以上に、そのガバガバ理論を俺に嬉しそうに話してくる母に恐怖を感じた。

 

だが、蛙の子は蛙だ。ちょうど金欠の俺は、金をせびるべく、彼の家に行くことにした。

 

 

5千円くれたw

 

 

wつけてもしょうがないだろう、ダンブルドアが賢者の石をくれたんだぞ?

 

金曜ロードショーで月一ペースの大惨事がここで起こったのだ。

 

これは草をはやして然るべきだ。

 

 

 

というか、甘党理論を馬鹿にしたやつは誰だよ。

 

母に謝れ、そして肩を揉め。

 

 

 

天国爺が甘党になった証拠として、リビングに大量のお菓子があった。

 

流石にシゲ〇っクスやファ〇タと言った近代的なものは無かったが、故郷の母などの白糖類を大量に含んだものが多くあった。

 

当然ながら甘党である僕は、その中から一つを取ろうとする。

 

 

浪人するのか?

 

 

 

...それは言わない約束だろう。

 

犬同士の喧嘩を見れば気付くと思うが、彼らは相手の急所を決して攻撃しない。

 

暗黙の了解なのだ。

 

 

俺は決して「あと何年この世に留まれる?w」とは聞かないし、向こうもそのつもりだと思っていた。

 

 

 

だが違った、たった一動作で、お菓子を貰おうとするというワンタッチで僕の胸に弾丸を打ち込んだのだ。

 

 

甘党理論を正当化したやつは誰だよ。

 

僕に謝れ、そして金をくれ。

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